ふう太が3才になった頃、ほげ子は困っておりました。
だって、ふう太は一緒に歩いてくれずにウロチョロ走るし、
触っちゃだめよって言っても平気で触るし、
すぐ『やだ!』って言うし、
小さい声だよって言っても大きな声出すし、
公園ではおもちゃの貸し借りでトラブルになるし、
偏食はひどいし、
待ってくれないし、
etc. etc. etc. !!!!
もう毎日生活するだけで精神も体力も根こそぎ削り取られるような、そんな日々でした。
あ、可愛かったですよ♡
純粋で、優しくて、天使みたいでした♡
でも同時に自由奔放な子ザルと暮らしているかの様だったんです。
すっかり参ってしまった私は、市の保健センターの子育て相談に、初めて電話をかけました。
すると、対応してくれた方はとても優しい声で
『お母さん、よく電話してくれましたね。
今まで大変だったでしょう。
よくがんばりましたね。』
と言ってくれたんです。
弱っているときにそんなこと言われたら涙出ちゃいますよね。
その言葉で緊張がふわっと和らいだのを覚えています。
そして、その方に勧められて、”児童心理専門の心理士さん”との面談を予約してもらいました。
(児童心理専門の人かぁ・・・さぞかし子どもへの接し方が上手なんだろうなぁ♡いろいろ教えてもらいたい♪)
期待に胸を膨らませながら、0才のぽよちゃんをおんぶして、ふう太と一緒に心理士さんとの面談に出かけたのですが・・・
面談当日、心理士さんに日々の困りごとなどを相談しました。
とくに注意や禁止・指示の声かけに応じてくれないことが、毎日のあらゆる場面で負担を大きくしていたので、そこを中心に話したと思います。(かなり前の話なのでうろ覚えな部分もありますが)
それから、心理士さんはふう太にいくつか簡単な検査をしました。
お手本の絵と同じになるように積み木をするものや、
いろんな表情のイラストのカードのなかから、『悲しい顔はどれかな?』『嬉しい顔は?』と指示されたカードを指さすものなど。
その表情カードの検査では、ふう太は人差し指を伸ばし、指さしの形にしたままカードの上をうろうろ探してから『これ!』と指し示していました。
すると、心理士さんは指でうろうろせずにスッと一発で示すように注意しました。
もちろん普通に優しく言ってくれたのですが、意味がわからなかったのか、ふざけているのか、その後もうろうろと指さしを続けるふう太。
はたから見ていると、ふう太は明らかに表情は読み取れているのですが、うろうろ指さしでは合格にできないという決まりでもあったのでしょう、心理士さんは
と言いました。
内心(子どもの目の前でわざわざダメって口に出す必要ある・・・?)と思いましたが、黙っていました。
そして、全ての検査が終わってしまうと、暇を持て余したふう太は部屋の中を探検し始めました。
おもちゃも少し出してあったのですが、それよりも備品の引き出しなどが気になり、勝手にあちこち触ろうとするふう太に心理士さんは注意します。
『ここは大事な物が入ってるの』
『開けちゃだめよ』
『触らないでね』
もちろん私も注意しましたが、ふう太はいつものように聞く耳を持ちません。
大人の言うことを無視するというより、触りたいという自分の欲求をコントロールすることができない、というのがふう太を表す言い方としては正しいと思います。
わかっちゃいるけどガマンできな~い!という感じで奔放な振る舞いをする3歳児。
『3歳児なんてそんなもんでしょ♪』では済まないくらい指示が通らないヤツ、それがふう太。
心理士さんはそんなふう太を見て、少しビックリしたような口調で
と、私に言いました。
(・・・そうだよ。だから相談に来てんのよ!さっきから説明してるじゃん!!迷惑かけてごめんなさいね!?)
心のなかで毒づく私。
その後も私と心理士さんが話しているあいだ、うろうろしては注意され、おもちゃのクローゼットを無理矢理あけようとしては注意され、やることなすこと心理士さんに注意されてばかりのふう太はだんだん荒れていきました。
(この心理士さん、ふう太に注意するばかりで、何か気を逸らすような代替案も言わないな・・・。ふう太の気持ちに寄り添うようなことも全然言わないしな・・・。)
(これが子どもの心の専門家の対応なのか・・・?ふう太どんどん荒れてきてるじゃん・・・?)
(これなら、前に産後訪問に来てくれた保健師さんのほうが、ふう太への対応よっぽど上手だったぞ・・・?)
子どもの心の専門家だという心理士さんの対応に、私の頭の中は疑問符がいっぱいになってきました。
そして、全然指示が聞けないふう太に心理士さんが放った極めつけの一言がコチラ!
そのとき私は確信しました。
(コイツにせもんじゃ~っ!!!)
~つづく~