偏食?好き嫌い?感覚過敏?③

前回の続きです。

ふう太の偏食は、おそらくただの好き嫌いではなく感覚過敏によるものだろうと勝手に判断したほげ子。

そういうことなら焦ってもしかたないと腹をくくり、あまり無理させずに食べられるものが増えていくのをの~んびり待つことにしました。

『偏食?好き嫌い?感覚過敏?①』にも書いたのですが、
幼稚園では偏食に対して大らかな対応をしてもらえました。
が、小学校にあがるとどうなのか?

今回は学校給食のお話です。


ふう太が1年生の時の担任の先生は、給食では ”完食シール” という取り組みをしていました。

給食の時間は班ごとに机をくっつけて食べていたそうなのですが、『全員が完食できた班はご褒美シールを1枚もらえる』という取り組みで、その成績は壁に張り出されていた様です。

なんだか営業マンの成績張り出しみたいですね。


ある晩、ふう太が『学校いやだなあ…お給食、やなんだよな…』とボソッと呟きました。

よくよく話を聞いてみたところ、原因はその完食シールでした。

当時、ふう太が給食を残さずたいらげることができたのは、せいぜい1年に5回くらいのものだったと思います。
ふう太と同じ班の子たちは、いくら自分が一生懸命食べてもふう太が完食しない限りシールをもらうことができません。

そして、班の子たちはふう太に対し
『なんでちゃんと食べないの!?ふう君のせいでシールもらえないじゃん!』
と責めたりにらんだりすることがあり、ふう太はそれが辛く学校に行きたくないと言い出したのでした。



(ああ、こりゃちょっとマズいな💦)
そう思った私は、さっそく連絡帳で先生にお願いをしました。

・ふう太の偏食は、おそらく口腔内の感覚過敏が原因だろうということ

・偏食に関することは、家庭でゆっくり取り組んでいきたいと考えていること

・ふう太は頑張っても完食はなかなか難しいこと

・完食できないふう太のために、同じ班の子たちは自分がいくら食べてもシールをもらえない、という面白くない状況になっていること。

・その気持ちがふう太に向いて、ふう太を責める言動が出ていること

以上のことを丁寧に説明したうえで、

ほげ子
ほげ子

完食シールの取り組みを楽しんでいるお子さんや、頑張って食べるぞ!とやる気になっているお子さんもたくさんいると聞いています。

そんななか水を差す様で申し訳ないのですが、
ふう太の偏食が他のお子さんの足を引っ張ったりやる気を削いだりすることのない様な方法に変えられないかご検討いただけませんか?

と、こんな具合にお願いをしてみたんです。

先生はすぐに『班はやめて個人にします!』と対応してくださいました。
とてもありがたかったです。

それまで班の成績として張り出していたものを個人でとなると、シールの消費量も膨れあがるし、全員分の成績表を作る先生の手間も大変になってしまったかとは思います。

でも、すぐに対応してくださったおかげで、それ以降ふう太は睨まれることもなく、給食の時間を心穏やかに過ごせるようになりました。

自分がシールをもらえないことは、全く気にならなかったみたいです。

(シールもらえないけど、食べられないんだからしょうがないや。睨まれなくなってよかった~♪)
ってなところでしょうね。

先生がすぐに対応してくださったのは、本当にありがたかったのですが、

それはそれとして、一つ疑問があります。



食べものを粗末にしないということは、小さい頃から教えた方がいいと思いますし、我が家でも自然にそうしてきました。

動植物の命をいただいて、私たちも生きているんだね。
ありがたくいただこうね。

そういうのは大前提としてありますが。

どうしても苦手なもの、えづいてしまうほど口に合わないものを食べられないということは、そんなにも問題なのでしょうか?

学校の先生は、私が出会ったなかでは『なるべく何でも食べられるといいね』というタイプの方がほとんどでしたが、『好き嫌いなく何でも食べるべき!』というタイプの方も世の中にはいらっしゃる様です。

そりゃ、気軽に残すのはよくないと思いますけども。

でも、給食で一番大切なことってなんでしょう?

私は『楽しくお腹を満たすこと』じゃないかと思います。



子ども達は朝から下校時間まで決められたタイムスケジュールで毎日頑張っています。

休み時間はあっても20分ほどです。
次の授業に遅れないよう準備したり教室を移動したりもします。

なかなか疲れそうな学校生活のなかで、みなさんは給食の時間我が子にはどう過ごしてほしいですか?

私は、友達とのおしゃべりで笑いながら、苦手なメニューだったとしてもリラックスして楽しいランチタイムを過ごしてほしいと思うのです。

そして、この辺りのことを考えていくと、『完食指導』『もぐもぐタイム』などのワードが気になってきます。



(つづく)

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