たいそうなタイトルですが、ふう太が小学校に上がったころの校長先生が、けっこうインパクトの強い方でして…
学校へ来なさい!
とにかく来なさい!!
嫌でもなんでも来なさいったら来なさーい!!!
という先生だったのです。
思い出すと、いろいろと考えてしまうところがあり…
入学式の校長挨拶で
ふう太は家からいちばん近い場所にある公立小学校に入学しました。
1学年100人超えの、まあまあの規模の学校でした。
入学式当日はお天気に恵まれ、桜もちょうど満開♡
かわいらしくスーツを着込んだ子どもたちの姿に心が浮き立って、幸せな気分で入学式の始まりです✨
校長先生が、壇上から新入生たちへお祝いの言葉を話しました。
まあ、だいたいは
『おめでとう!
先生たちも嬉しいよ!
たくさん遊んで、たくさん勉強して、楽しくすごそうね!』
的な内容だったと思うのですが、
話のなかで、
朝、学校に来て、元気におはよう!と言えたらマルです♪
お友達と仲良く出来たらマルです♪
毎日元気に学校に来られたらハナマルです!!♪
とおっしゃいました。
それを聞いて、私の心はすーっと冷めていきました。
ん~…そりゃぁ毎日元気に学校に来られて楽しくすごせたら、それはいいことだろうけどさ…
でも、学校に来るのが絶対的に正しいことだと押しつけられているようで、なんか心地悪いな…
そもそもマルって?
じゃあなにか?できなけりゃバツなのか?
それにしても、学校ってのはいまでも『みんな仲良く』式の教育なのか…?
いや、親しい友達が出来るのは喜ばしいことだけども、
たまたま同じ年に生まれて、たまたま同じ地域に住んでる子どもをザッと集めたのが小学校でしょう?
気の合う子もいれば合わない子もいて当たり前だし…
先生はどうなのよ?
職員室の先生たちは、みーんな仲良しこよしでやってるんかい?
…失礼しました。
そんなにムキになるようなことではないですよね😅
まあ、入学式というおめでたい行事での発言ですし、
楽しく学校に来られるといいね♪くらいの意味合いでおっしゃってるんだろうとは思いました。
でも、なんだか違和感を感じてしまったことが、記憶に残っています。
校長先生のびっくりコラム
まあ、そんな感じで小学校生活が始まりました。
月に1度配布される学校だよりには、校長先生のコラムがありました。
そこには校長先生の理想やら、教育方針などが毎回書かれていたのですが、
ときどき(…は!?…へ、へぇ~…?)と、思うようなことが書かれておりまして💦
あるときのコラムでは、以下のようなことが書かれていました。
子どもは学校に行くべきだし、親は行かせるべきです。
昨今は『行きたくなければ行かなくていい』なんて風潮も広まっているようですが、それは既に心の病気になっている子や、いじめなどで命が脅かされる状態にある子の話です。
それを、ただ嫌だから行かないなんていうのは、意味をはき違えています。
勉強は家でできても、行事を通して仲間と力を合わせて困難をのりこえる経験や、学校という社会のルールを守って生活するなどの経験は、学校でしかできません。
子どもの成長に学校は絶対に必要なのです。
登校を渋ろうが、泣こうが、無理にでも連れてきてください。
学校に連れてきてくれさえすれば、あとは先生たちで対応します。
とにかく連れてきてください!
また別のときには、こんなことも…
『学校のお客様は誰でしょう?』
子どもたち?いいえ。
それでは保護者?いいえ、違います。
正解は『社会』です。
私たち教職員は、税金からお給料をいただいています。
税金は国民みんなが払うものですね。
そして、国民たちでできているのが社会です。
その社会からお金をいただいているのが学校ですから、
学校は社会の役に立つ子を育て、社会へ還元するのです。
ですから、学校のお客様は社会なのです。
これも強烈でした。
税金は、ざっくりいえば、みんなでお金を出し合ってみんなの暮らしを守る制度ですよね?
そこに『客』という概念が出てくる発想が、私にはよくわかりません。
私の夫、あつお君は消防士なので、税金でご飯食べてる側ですが、
消防士が救助される人のことをお客さんとみなしているかというと、違うと思います。
自分の仕事だから、
災害から人を守るのが自分の役目だから、
目の前にいる人を助けるために一生懸命頑張っている、
ただそれだけではないでしょうか。
お金を払ってサービスを受ける側と、
お金をいただいてサービスを提供する側?
そういうもんじゃないだろうと思うのですが。
そもそも『社会に役立つ子を作る』と聞いて薄ら寒い気持ちになりました。
だって、真っ先にイメージしたのが戦時中の軍国主義の学校だったんですもん…
社会の役に立つのはいいことだよ、
私だって些細なことでいいから人様のお役に立ちたいよ、
でもさ、まずは個人じゃないの?
自分が何をしたいのか、
自分の好きなことは何なのか、
得意なことは何なのか、
その辺を大事に育んでいって、
自分が幸せを感じながら生きられて、
そんで初めて人のために何かしたい、
他の人の幸せを願う余裕が出てくるもんじゃなくて?
ここまでの校長先生の話をまとめると、
子どもはすべからく学校へ来い!
嫌がろうがなんだろうが、親は無理にでも連れてこい!
社会のお役に立てる子に育てあげて世に送り出してやるわ!
ということでよろしいでしょうか??
よろしいのでしょうかねぇ…??
(つづく)