前回の続きです。
ふう太の苦手な食べものの多さが尋常ではなく困っているという話でした。
そもそもなぜこんなに好き嫌いが多いのか?
そりゃあ子どもはピーマンやらニンジンやら野菜が苦手な子は多いだろうけど、
ふう太のこれはちょっとあんまりじゃない…?
妹のぽよちゃんは、大抵のものは食べられるのに…??
不思議に思った私は、色々と調べていくうちに『感覚過敏』というワードにたどり着きました。
『感覚過敏』とは何か?
読んで字のごとく、感覚が過敏になっている状態のことです。
(病名ではなく、あくまでも症状。)
聴覚や視覚、触覚や嗅覚など、ある特定の感覚刺激に対して過度に敏感に感じてしまうのだそうです。
たとえば…
聴覚過敏では、たいていの人なら気にとめないような雑音でも過敏に反応してしまい、勉強や仕事に集中できなくなってしまったり、
スーパーで流れるBGMや赤ちゃんの泣き声、掃除機の音がとてもうるさく感じられてしんどくなってしまう…
などの症状が起こったりするそうです。
視覚過敏では、蛍光灯のちらつきが苦手だったり、太陽や照明が異様に眩しく感じてしまったり、真っ白な紙が眩しくて普通のノートを使えなかったり…といったことがあるそうです。
その他にも触覚過敏や味覚過敏、嗅覚過敏に、動きやバランスに関する過敏など色々。
発達神経症(発達障害)の人は、この感覚過敏の症状が何かしら出ることが、よくあるんだとか。
そう考えたとき、いろいろと合点がいきました。
たとえば炒め物。同じ具材で同じように作っても、炒め加減で食感は変わります。
以前『これいける♪』と食べられたメニューでも、次に作った時は食べられないことがあります。
『なんかちょっとちがう…、ごめん、無理かも…💦』
と言われ、(えぇ~っ!?なんでよ~!?)と思ったことが何度もありました。
私にとってはほんの些細な違いでも、ふう太には食べられなくなってしまうほどの食感の変化なのでしょう。
また、さらさら、ざらざら、つぶつぶした食感のものは特に苦手です。
食感のやわらかい、口の中でシャリシャリと細かくなっていくようなリンゴは苦手ですが、固めのパリッとしたリンゴは好きです。
お味噌汁は、お椀の底にたまった味噌のつぶつぶが苦手で、最近まで飲めませんでした。
いまは、ひとくち飲むごとによくかき混ぜて、つぶつぶを感じにくくして飲んでいます。
飲めるように自分で工夫する様になったんですね。
大した進歩です😊
ふう太には、苦手な食べものを無理に食べさせたり練習させたりするようなことはしてきませんでした。
というのも、こんな話をどこかのネット記事で読んだことがあったんです。
ゴムを食べる……?
いや、無理です。
いくら『これは体にいいんだよ。食べものを粗末にしてはいけないよ。』
と言われても、
自分の体が異物と認識するものを食べるのは、しんどいです。
そんなことが三度の食事の度にあるのだとしたら、これはもう食事の時間が苦行になってしまう。
だから、食卓には毎回ふう太の食べられるものを何種類か用意しました。
その他に、ふう太が苦手な物も少し用意しました。
そして、ときどきは苦手なものにもチャレンジしてみるように勧めました。
食の好みってね、変わっていくんだよ。
ふう太は子どもで、どんどん成長していくでしょ?
ふう太の舌も成長していくんだよ。
だから、前に嫌いだったものでも美味しくなっちゃうことが、けっこうあるんだって。
ほんのちょびっとだけ味見してみなよ♪
無理だったら出しちゃっていいからさ♪
そう言って。
素直なふう太は
ちょびっっっとだけ食べてみて、
『やっぱり無理~💦』と水を飲みます。
そんなことをくり返すうちに、食べられるものはかなり増えてきました。
今でも苦手なものは多いけれど、献立を考えるときの悩みのタネだった”ふう太の食べられるもの縛り” は、
いつのまにかなくなっていました。
(つづく)